男同士の愛に目覚めて20余年。2年前からM/M洋書にはまってます。今はドラマskamに激はまり中。
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百と卍

百と卍




紗久楽さわ『百と卍』

時は江戸時代・後期。
真夏の蒸し暑くせまい長屋で、熱い吐息交じりにまぐわう男がふたり―。
客に男色を売った男娼の総称=陰間(かげま)。
元・陰間の百樹(ももき)は、ある雨の日に卍(まんじ)に出逢い拾われた。
陰間の仕事としてではなく、やさしく愛おしく
、恋人として抱かれる瞬間はまるで夢のようで、
そんな日々に百樹は幸せでいっぱいなのだった。
たとえ過去に、どんなことがあったとしても。

伊達男×陰間あがり。溺れるほど愛おしい江戸男子の艶ごと極上エロス。
江戸漫画の革命児、紗久楽さわが描く、初のBL作品!


BLコミックが「耽美小説」と呼ばれていた時代を思い出す内容だった。
たぶん、「陰間」だからそういう印象を受けたのだと思う。


主人公の百樹はあっけらかんとして、さっぱりしているように見えるんだけど、
陰間の時にはいつも泣いていたし、
百樹を陰間茶屋の陰間にした実の兄に出ていくように
言われたことにはものすごく傷ついていて、
「捨てる」という言葉に敏感だったりする。


実の兄からすれば、ひどいことをしてしまった百樹の手を放して
自由にしてやることが百樹への愛情だったのだけど、
百樹にとってはそれは単に捨てられたということで、
あのまま卍に出会わなければ、あそこで死んでいたのかもしれない。
そしてあのとき出会った卍のことを「兄イ」と呼んでひな鳥のように慕う。


短いエピソードがいくつもあって、
その連作で百樹と卍の生活が垣間見える。
幸せそうで何より。
内容が濃くて、すごくボリュームたっぷりなものを読ませてもらった。





2018/01/30 19:11 BLコミック その他 TB(0) CM(0)
はっと気づいたら、もう24日。
1月が終わってしまう。
何をしていたのかしら…!
なんだかいろいろ忙しかったのは確かなんだけど。


さて、今日の感想はこちら。



常倉三矢『Life 線上のぼくら』

下校途中の一人遊び「白線ゲーム」で偶然出会った生真面目な伊東と無邪気な西。
恋に落ち、「白線の上だけの逢瀬」にもどかしさを覚えた伊東は咄嗟に西へキスしてしまって…
…高校生から大学生、そして大人へ―――
変わらない想いと、変わりゆく現実の狭間で愛に翻弄された二人の男の人生を描いた感動の話題作。
描き下ろし10ページあり。


すばらしい…。
泣けた…。


大事件が起こるわけじゃない。
日常を重ねて行った二人が、途中迷いながらも、
軽やかに愛を紡いでいくお話。


出会いは高校生の時。
白線の上を落ちてはいけない設定で左右から歩いてきた二人が線上で出会い、
落ちてはいけないがために、ダンスのように、両手をつないで
くるんと回って左右に分かれる。
そこからすべてが始まる。


進学、就職、いろいろあって、若いうちは相手への想いだけがあればよかった。
でも一定の年齢になったとき、世間体などが入ってきて、以東は大事なものを見失う。
愛だけを大事にしていた西が、本当にかわいそうだった。


時間的には何十年も一気に駆け抜けているんだけど、
ゆっくり進んでいる気がしてしまう。
そして最後のシーン。
病室をわくわく抜け出す西と、白線の向こうで待っていて出迎える以東に号泣。
こういう一生を送れた二人は幸せだと思った。



2018/01/24 14:23 BLコミック その他 TB(0) CM(0)
2018年の初映画はコレ。





私は不勉強で知らなかったけど、この映画は、
ゴールデン・グローブ賞で作品賞を受賞、アカデミー賞で作品賞・脚色賞・
助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門を受賞したほどの有名作品。


主人公の半生を、3つに分けて、3人の俳優が演じている。
少年時代、高校時代、そして大人になってから。


原作は、"In Moonlight Black Boys Look Blue"(月の光の下では、黒人の男の子は青く見える)
という戯曲で、作者の半生が色濃く反映されているとのこと。
主人公が慕ったブルーという麻薬ディーラーの黒人男性が、
キューバ時代におばあちゃんに言われた言葉として、これを主人公の少年に語る。
だから自分はブルーと名乗ることにしたんだよ、と。


映画のブルーは、主人公の少年がいじめらて隠れているときに助けてくれたことで知り合い、
それから主人公は彼の家に出入りするようになり、母親の麻薬中毒がひどくなってからは
シェルターのように、いざというときに助けてくれた。
実際のブルーは、原作者の母親の恋人で、原作者をかわいがってくれたのだという。
それがすごくよく映画にいかされていて、救いようがない主人公のつらい生活を、
ブルーの存在が助けてくれていた。


それと、大事なのが、友人のケヴィン。
ケヴィンは小さい頃から、少し変わっていた主人公を、「かわっていておもしろい」
と評価してくれていた。
実は映画を見ている側からすると、彼の弱さもすごくよく見える。
でも、主人公から見たら、とても大事な憧れの存在。


大人になって、主人公が悪人のような見た目になって
実際悪いこともしてるのだけど、それでもずっと、ケヴィンとの思い出を
大事に心にしまっていたところに泣けた。



貧困の中、麻薬中毒の母親に育てられ、学校ではいじめられていた主人公が、
肉体改造に励み、大人になって見た目がゴッツくなっていたときは、正直安心した。
いじめられているのを見るのはつらかったから。
でも、悪いことをしなければ貧困から抜け出せない、その構造は何も変わっていなくて、
それが彼らの現状なのだと思う。


実際の原作者は、大学に行き、戯曲などを書くことでそこから抜け出した。
そして映画化した監督のジェンキンスは、たまたま原作者と同じ地域出身で
同じように麻薬中毒者の母を持っていたのだけど、アメフトで大学に行き、
映画を勉強したことで抜け出した。


過酷な世界だった。
だからこそ、主人公の、ケヴィンへの想いの純粋さが際立った。
全編通して、音楽もいい。
1年を始めるのにとてもいい映画を見せてもらった。








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プロフィール

ふうう

  • Author:ふうう
  • アラフォー主腐。ときどきバイト。日本の右傾化を憂いつつ、ゲイなものにうつつを抜かす日々。2年ほど前からM/M洋書にはまってます。つい最近、ノルウェーのドラマSkamにはまりました。EVAK大好き♡誰かとSkamについて語りたい!


    好きな人々
    コミック:ウノハナ、日高ショーコ、秀良子、依田沙江美、今市子、萩尾望都
    小説:木原音瀬、凪良ゆう、樋口美沙緒、高村薫
    ドラマ:ノルウェードラマSKAM の、Even×Isakのカップル
    M/M小説家:Alessandra Hazard、Sarina Bowen(m/m限定。この方は男女ものも書く)

    ☆痛い系、執着系のお話が好き☆


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