男同士の愛に目覚めて20余年。夫と娘にバレてます。1年前からM/M洋書にはまってます。コメントTB、大歓迎☆
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凪良ゆう『おやすみなさい、また明日』


「俺はもう誰とも恋愛はしない」。仄かに恋情を抱いた男から、衝撃の告白をされた小説家のつぐみ。十年来の恋人に振られ傷ついたつぐみを下宿に置いてくれた朔太郎は、つぐみの作品を大好きだという一番の理解者。なのにどうして…?戸惑うつぐみだが、そこには朔太郎が抱える大きな闇があって!?今日の大切な想い出も、明日覚えているとは限らない…記憶障害の青年と臆病な作家の純愛!!



記憶障害のお話、と言えば、『博士の愛した数式』、
BLだと、『明日も愛してる』ですが、
これもそうでした。


ただ、このお話の朔太郎は、記憶をとどめておける時間が
どれくらい、というのは決まっていなくて、
いつの間にか、忘れていて、忘れちゃうエピソードが、
何度も繰り返されるのが、かなしくて、なんだかとても…、
たぶん失われるものだからこそ、美しい。


一度朔太郎から離れた後、つぐみは朔太郎のおじいさんと手紙とメールのやりとりをしていて、
ときどき荷物が届いていて、身寄りのないつぐみにとっては
身内からの贈り物、という感じだったのに、
おじいさんが亡くなり、お通夜でひさしぶりにあった朔太郎に
自分のことを忘れてほしいと言われ、
さようならを言って、自分の家に戻ろうとするんだけど、


どうして自分は歩かなくてはいけないのか、
どうして電車に乗って家に帰らなければいけないのか
なぜ生きるのか、いつまで生きればいいのか、
わからなくなるシーンがあって…
もう涙で、字が、見えない。


生きている意味って、なんだろう、って考えると、
それはやっぱり人とのつながりなんだと思うのです。


もし、私、子どももだんなも親もいっぺんに亡くしたら
何のために生きるのか、目的を見失う。
それはすごく想像できます。


そんな状態のつぐみを見て、もう…。


最後のSSは、凪良さんがあとがきで、
「読者さんの意見がわかれると思いますが、
私は最後のSSが書きたくてこのお話を書きました」
と言ってて、たしかに意見はわかれそうだけど、私は作家さんが書きたいと
思ったものを読ませてもらってよかった、と思いました。


主人公のつぐみは作家で、書くことについて
いろいろ悩んだりするんです。
今回のお話には、『恋愛前夜』に出てくる小嶺ヤコ先生も出てきて、二人で話してる時に、
作家が書きたいものと売れるものは一致しない、
かといって割り切って売れるものを、と思って書いても売れなかったりする、
とかそういう話をしていて、そのへんは凪良さんが作家として
思っていることなんだろうな、と思いました。


なので、実際に、「これが書きたいものです」って出されるのは、
その作家さんのファンとしては、とてもうれしい。


年をとっていけば、記憶障害も記憶障害ではなくなる。
けど、「この人は亡くなった」ということを
毎日毎日初めて知る、というのは、どれほどつらいことだろう…。
けど、なんだかそれも、霞がかった日々の中では、
それもまた、彼がその日を生きるのに必要なことなのかもと思ったり。


私もいつか一人になるんだろうか。
なんて、そんな疑問を持てるような一人じゃなかった日々を
懐かしく思い出すのでしょうか。
それとも思い出せないくらい、頭に霞がかかっちゃっているのかな…。
とか、そういうことばっかり、考えちゃう。


ほんとに、いい作品を読ませていただきました。
凪良先生、ありがとうございました。
まだ1月なのに、今年のベストかもしれません。



ところで、朔太郎は、萩原朔太郎からとったと、
朔太郎自身が言っていて、そのときに言った一節が含まれる文章を
ネットから拾ってきました。


海豹のやうに、極光の見える氷の上で、ぼんやりと
「自分を忘れて」座つてゐたい。そこに時劫が過ぎ去つて行く。
昼夜のない極光地方の、いつも暮れ方のやうな光線が、
鈍く悲しげに幽減するところ。ああその遠い北極圏の氷の上で
ぼんやりと海豹のやうに座つて居たい。永遠に、永遠に、自分を忘れて、
思惟のほの暗い海に浮ぶ、一つの侘しい幻象を眺めて居たいのです。
「極光地方から」



萩原朔太郎といえば、
「ふらんすに行きたしと思えども
ふらんすはあまりに遠し」
しか知らなかった。
すてき。






関連記事
2014/01/26 00:44 BL小説 凪良ゆう TB(0) CM(2)
コメント
こんにちは、ふううさん。

ご無沙汰しておりますが、しっかり日参させて頂いております^^;。

この本、凪良さんだから買おうと思って本屋さんでチラ読みしたのですが、最後のSSを読んで棚の前で泣きそうになって困りました。

主人が亡くなってもうすぐ2年。

子供が居なくて両親も亡くなり兄弟も遠方の私は肉親の縁が薄いのだと思います。

どうして私は一人なんだろう、私は何のために生きているんだろう、どうして私の傍には温もりがないんだろうとか、まだまだそういう想いを乗り越えられずにいます。

あ、重い話ですみません^^;

今の私にはドツボ過ぎて正面から向き合う勇気が持てず、買うことを諦めました。

いつかこういうお話に正面から向き合えるような強さを持ちたいです。

年を取ると経験が増える分、痛みに臆病になるのかも。
2014/01/26 10:09 桃 URL [ 編集 ]
Re: タイトルなし
桃さん、


私、桃さんの事情を全然知らなくて、…
今ブログをさかのぼらせてもらいました。

涙出ちゃいます。
桃さんの立場でもう1回読み返してみると、
これは読めないです。
ちょっときすぎる…。

そういう意味では、これは悲しみを消費するための
本なのかも…。これを平常心というか、
自分とはちがう世界、という気持ちで素直に悲しめる
人は幸せな状況にあるのかもしれないです。

年を取ると痛みに臆病になる、ってきっとそうです。
慣れないですし、慣れようとしなくていいと思うし、
でも慣れたらそれはそれで生きやすくなりそう…な。

コメントありがとうございました。
重い話でもなんでも、
桃さんの気持ちを知ることができて
うれしかったです。




2014/01/26 17:54 ふうう URL [ 編集 ]















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  • Author:ふうう
  • アラフォー主腐。ときどきバイト。日本の右傾化と、やつらの出現(だんだん暖かくなってきたから…)を恐れる日々。
    1年ほど前からM/M洋書を読み始め、今はKindle本とAudibleを併用して楽しんでいます。英語の勉強におすすめです。



    好きな人々
    コミック:日高ショーコ、秀良子、緒川千世、依田沙江美、今市子、萩尾望都、紺野キタ
    小説:木原音瀬、凪良ゆう、佐田三季、高村薫


    ☆特に木原さん大好きです☆
    ☆凪良さんは、白なぎさんより黒なぎさんのほうが好き。でも必ず作家買い☆
    ☆痛い系、執着系のお話が好き☆


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