
岡田屋鉄蔵『千 螺旋の錠 (花丸コミックス)』
="1" />人の願いを叶える代償にその者の魂を喰らう座頭・千載。彼と旅をする剣豪・草薙主悦が出会う男たちの壮絶なドラマ第二弾! 心優しき力士、盗賊、海賊の心震わす物語。そして千載の過去は? 2012年4月刊。
今回のお話は3つ。
絵師と力士のお話と、兄弟の盗賊のお話、それから海賊のお話。
いちばん印象に残ったのは最後の、海賊のお話。
自分の過ちで失ってしまった海賊の兄者を自分の魂と
引き換えにこの世に呼び戻したんだけど、
疎まれていたと思っていた兄者が、実は自分と同じ思いでいたと知り、
兄者にキスされて抱きしめられた瞬間に、
千載に「(自分の魂を)今、連れて行ってくれ」と頼むところ。
抱かれてからでもよかったのかもしれないけど、
醜くなった自分を見せる前に、抱きしめられた瞬間に消えることを望む
姿が切なかった。
どれも生きて幸せになる話ではないので、
悲しかったのだけど、すごいドラマを読んだ気分…。
すごいなあ、岡田屋さん。
今回、本来の主人公であるはず(?)の
剣豪・草薙主悦と、千載の二人の関係についてはあまり
描かれてなかったのが唯一残念なんだけど、
でもそれもいらないといえばいらないような、なんだかふかーい
お話を読んだ気分です。
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