男同士の愛に目覚めて20余年。夫と娘にバレてます。1年前からM/M洋書にはまってます。コメントTB、大歓迎☆
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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

さて、年末年始にかけ、なんとなく年明けにぴったりな、本を読みました。猿楽・能の世界を極めた世阿弥のお話です。

世阿弥といえば、「観阿弥・世阿弥」のようにセットで覚えていました。けども、親子だったんですね。知らなかった…。

華の碑文―世阿弥元清』杉本苑子

世阿弥の弟の視点で、世阿弥の生涯が描かれます。
弟である「私」は自分が世阿弥に愛されていないことが不満なのですが、いつしか世阿弥が誰のことも愛していないことに気づきます。ずっと庇護してくれて体の関係も持っている将軍足利義満のことも、自分の妻も、自分の子供のことも。人間関係はすべて「勤め」でしかないのです。

理由は次第に明らかになるのですが、足利義満に見出されるまで、観阿弥の一座は生活に困窮していて、世阿弥も8さいころから寺に奉公に出され、体の関係も含めひどい扱いを受けていたのです。

どんなつらいときでも、世阿弥の中にあったのは、能のこと。能のことを考えれば、そこには希望があった。父である観阿弥が亡くなってからは、今後どのような役者が演じようともくずれないベースとなる能を完成させようと、それだけを目的に生きています。

…というのが、弟視点で描かれるのですが、客観的であり、なかなか感情移入はしにくかったです。
でも目の前で流れるように、このころの猿楽役者たちの生き様を見せられた気がします。それと同時に権力者たちの栄枯盛衰を。読んだあとは夢心地…。

そのドラマをさらに盛り上げてくれたのが、そこここに出てくる男同士の関係です。
足利義満と世阿弥。ふたりの出会いは17歳と12歳。
義満の息子、義嗣と世阿弥の息子元雅。15歳と14歳でいちゃつくシーンあり。
同じく義満の息子、義円(のちの6代将軍義教)と「私」の息子、元重。こちらは15と11がはじめてのとき。

江戸時代の衆道というと、ある程度の大人が、子供を買うというイメージであまり好きではないのですが、室町時代の今回登場したこの人たちは、年が近くて、なんというか恋人同士に近くて、好みにぴったり…。世阿弥の結婚式の夜、将軍がきて世阿弥を屋敷につれて帰ってしまうところなんて、とてもすばらしかった。

それから気になったのは、義円と元重。
この人たちは、元重が元服してからも関係を持っていて、義円は癇症で元重は顔がはれ上がるまで殴られたりするのに、それでも関係をきらない。
いとこである元雅の代わりに将軍義教が元重を推挙したとき、「若棟梁である元雅を押しのけて受けるな」と父である「私」がいうと、将軍はおそろしい人だから自分のいうことなど聞かない、というのです。

そのさい、「私」に元重は告白するのですが、元重は彼になんどもころされかけ、たえられず自殺しようとしたことまであったというのです。

十一のときに、おれは四つ年上の座主に抱かれた。あれから二十年…。おれという人間はあの人に作られ、もはやあの人の一部になってしまっている。あの人のよさも、弱さも、恐ろしさも、一番知っているのはおれさ。



視点が、「私」なので、「私」が見ることのできない閨のことは、何も書いてはいないのですが、そんな私から見て蛇が二匹からまるような関係と言わしめた義教と元重の関係。二十年も、離れられずに…。たまりません。

服装とか、生活様式とか、よくわからないからぼんやりとした中、でも人の気持ちだけは推し量れるような想像の世界で、いっとき夢を見ました。

図書館で借りるときは、『杉本苑子全集2』にも入っています。
前に感想を書いた、同じ著者の『傾く滝』と同じくらいか、それ以上によかったです。


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2007/01/04 17:02 BL要素あり 一般文芸 TB(0) CM(2)
コメント
おお、懐かしい・・・。高校生のときに読みました、これ。同じく杉本さんの「傾く滝」もいいですよね!!華の碑文のほうが硬質で凛としたイメージです。傾く滝はドロドロとドラマチック(笑)。どちらも好きです。
2007/01/05 00:35 水仙うーろん URL [ 編集 ]
>ウーロンさん、

ほんとうに素敵な本を紹介していただいて、ありがとうございました!
猿楽も何も知らないのに、とても楽しめました。
傾く滝は確かにドロドロかも…(笑)。
でもどっちも魅力的ですよね。
またいい本があったら教えてくださいませ!
2007/01/06 23:49 ふうう URL [ 編集 ]















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