男同士の愛に目覚めて20余年。夫と娘にバレてます。1年前からM/M洋書にはまってます。コメントTB、大歓迎☆
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Bill Konigsberg "Honestly Ben"
"Openly straight"の続き。時系列的にも続いている。
前作で語り手だったレイフの恋の相手、ベンが語り手となり話が進む。


レイフがゲイだと自覚していた、しかも前の学校ではカミングアウトまで
していたという事実に激怒したベンは、レイフをまだ許せていない。


クリスマス休暇後、ベンは校長室に呼ばれる。
毎年一人だけ成績優秀かつ運動にも優れている生徒がもらう賞の受賞者に選ばれたという。
その賞には奨学金もついてくるので、もらえれば大学に行けることが確定する。
ニューハンプシャーの農家の出身で、ナティック高校に奨学金で来ているベンに
とっては願ってもいない話だった。
受賞のためには、成績を保つように、数学でCなどとらぬよう、ときつく言い渡され、
ベンは苦手な数学にテスト前には徹夜で取り組むが、一向に理解が進む気がしない。


勉強にきた図書館で、ベンはハンナという女の子に出会う。
ハンナは、美人で、頭もよくて、話好きで、二人は会ってすぐに意気投合し、
ベンはハンナと付き合うようになる。


一方で、レイフとの心を開いた会話と、レイフの友達たちとのバカ騒ぎが恋しくなったベンは、
レイフと友情を復活する。
勉強と親の期待と将来へのプレッシャーに押しつぶされそうなベンは、どこへ向かうのか…。


前作での語り手であるレイフは、根が明るく、家庭環境にも恵まれていたので、
つらい状況でも、そこには楽観的なものが流れていた。
それが、ベンは、父親からネガティブ思考を叩き込まれているので、
思考がネガティブ。しかも、真面目に生きねば、という気持ちが強すぎて、
自分で自分の首を絞めてて、読んでいてつらい。
おまけに、ノーマルに生きねば、と思っているからレイフへの気持ちをなかなか認めようとしない。


いったいどこで自分に正直に生きるのか…と心配になった。
ハンナと付き合いだしてしまうし。
自分ではない、他人の期待に沿っていては、一生うそをついたままで暮らすようなものだ、
とやっと気づくまでの道のりが遠い。
そして気付いたあとのやり方が、今度は激しすぎ。
もうちょっと、マイルドにいけばいいのに、と思わないでもないけど、
それが若さというものなのかもしれない。


ところで、レイフとベンの友達に、トビーという子が出てきて、
当初はカミングアウトしたゲイ、とみんなに認識されていたけど、
途中でみなに、自分の中での性別があいまいな「セクシャル・フルイディティ」だと
再度カミングアウトする。そのときに、トビーはその言葉を説明するチラシを配って、
日によって自分を「男」と認識したり「女」と認識したりする、と書いている。
そして、he/she/they のいずれで呼んでくれてかまわない、と書いている。
(英語は、そのへんをはっきりさせるから大変ね)


この「セクシャル・フルイディティ」を検索したら、ジョニー・ディップの娘のことが
ひっかかったんだけど、たぶん、新しい考え方。
自分の中での性別の認識があいまい/日によって変化する、というのと、
好きになる相手の性別が定まらない、という2つの意味があるようである。


また、もう一人の友達、アルビーは、「アセクシャル」であると書かれていた。
これは、誰にも性的欲求を感じない人たちのこと。


作者が新しい性別の認識/性的志向の認識を本にとりいれているのは明らかなんだけど、
ベンの性的志向の認識が、「バイでもなくゲイでもなく、基本はストレートだけど、レイフにだけは欲情する」
つまり、「好きになった相手が、たまたま男の子だっただけで、ゲイではない」というもの。
それは確かに、アメリカのM/Mとかカミングアウトものには出てこない認識なので新しい。
でも、これって、いわゆる日本のBLの根底にある昔っからの定石の考え方。
アメリカ的には新しい認識が、日本BL的には使い古された認識で、ちょっとそこは、今更感があった。
これからはやってくるのかしら、この考え方。


ちょっとそういう啓蒙的なところが目についたせいか、ベンの性格のせいか、
前作ほどの勢いとか楽しさはなかったけど、今回も十分楽しませてもらった。
ほかのも読みたいのだけど、この作者さん、Audibleを出していないのが残念。



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2017/04/03 07:14 BL洋書・翻訳物 TB(0) CM(0)
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