

Harper Fox "Scrap Metal"
久々におもしろかった!
(Audibleで聴いた)
舞台は、スコットランドのどこかの島。
本島からはフェリーでないといけない場所。
主人公である語り手のニコールは、母親と兄が亡くなったため、
続けたかった言語学を途中であきらめ、実家に戻り、厳しい祖父と二人で、
羊の農場で毎日泥にまみれて生活している。
一生懸命働いても、農場は借金の山で、働き手を一人、やめさせたほど。
ある晩、納屋のガラスが割れる音をきき、納屋に行ってみると、
やせた男が、隠れていた。
話をきくと、グラスゴーのヤクザに借金を作り、彼らから逃げているという。
きれいな男で、ニコールは、彼を追い出すどころが、一晩の宿を提供し、
給料が払えなくてもいいということだったので、祖父の手前は農業学校の学生が
学科体験のためにきた、なんていう条件をでっちあげ、彼を農場に置くことにする。
彼の名前は、キャメロン。
働き者で、優しそうだからか、農場の猫にも、気難しい祖父にも、その祖父の飼っている
シープドッグ(羊をおいたてたりするのに働く犬)たちにもすぐに気に入られた。
二人は惹かれあう。
でも、キャメロンは、自分には愛される価値がないといい、明らかにニコールのことが好きなのに、
一線を引こうとする。
そのなぞは、後半、明らかになる…。
Audibleは12時間という長さだったけど、竹の箸を作りながら(最近いつも作っている)、
熱心に聴いてしまった。
羊の世話とか、農場のこととかが、すごく詳しく描いてある。
ただの設定ではなく、たぶんすごく調べている気がする。
そういう詳細に支えられて、このお話は現実感を持って聴くことができた。
(ただ、よくわからないところも多かったけど^^;)
スコットランドというのもいい。
ニコールが、キャメロンを連れて、幼少時からの自分のお気に入りの浜辺とか滝に
連れて行ったりもするのだけど、きっとすごくきれいなんだろうなと思った。
そういうお気に入りの、大事な場所があるって、すごく羨ましい。
ただの住宅街で育った私には、そういうところはなかった。
想像力がたくましかったり、冒険心に富んでいたりすれば、たとえ住宅街の中でも
そういう場所を見つけられたのかもしれないけど。
(そういえば今は観光地に住んでいるわけだし、自分のお気に入りの場所というのを、
見つけるべきかもしれない…!やっぱり今もないということは、周りの景色にあまり興味が
ないということなのかもしれない…)
ゲール語も出てきた。
おじいちゃんと、ニコールがときどき話していた。
そういうのもなんだかおもしろく聴けた。
スコットランドに興味がある人とか、
イギリスに興味がある人には、特におすすめかもしれない。
多少、聴き取りにくいけど、それでも聴き取りやすいほうなので。
今度、M/Mのカテゴリを国別にしようかしら…。
英国の英語を聴きたい!という人もいると思うのよね…。
それで思い出したけど、同じ著者の本で、聴きたいのがあったのだけど、
サンプルを聴いてみたらすごく聴きにくくて、よくよく見たら、
Cut & Run とかTimingとか、テキサスが舞台の話のナレーションをしている人でびっくりした。
いちおう、その本の舞台の英国のどこかの風に発音しているらしいのだけど、
本場の人じゃないと思ったら、嘘くさく聞こえてしまって仕方がない。
Amazonの評価は高いのに、Audibleでの評価が低いのが、どうやらナレーションのせいらしかった。
なぜ、あのテキサス発音が上手な人に、アメリカ英語でないものをやらせたのか、わからない!
人には向き、不向きというものがあると思うのに。
かなり残念。
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