男同士の愛に目覚めて20余年。夫と娘にバレてます。1年前からM/M洋書にはまってます。コメントTB、大歓迎☆
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John Donovan "I'll Get There. It Better Be Worth The Trip."

これは、すっごくよかった。
終わってしまうのがさびしかった。


語り手である主人公は、13歳のデイビー・ロス。
5歳からずっと自分を育ててくれた祖母が亡くなり、ニューヨークに住む実母と
ともに暮らすことになるところから話は始まる。
アルコール中毒気味で、お酒によってころころ言動が変わる母と暮らす中で、
デイビーの逃げ場は飼い犬のダックスフント、フレッドだった。


一方、新しい学校では、アルチュールというクラスの中でも中心的な子と知り合う。
アルチュールは最初、傲慢で思ったことをなんでも口にする嫌な奴、という印象だったのが、
知り合ううちにだんだん変わっていく。


この、二人の関係が変わっていくところがとてもよかった。
家が近くて帰りのバスが一緒で、バスに乗らなくても帰れる距離で、一緒に歩いて帰るようになり、
帰りにフレッドと遊んでいくようになり、フレッドを連れて出かけるようになり…。
アルチュールは親友を病気で亡くしたばかり、デイビーと同じく母子家庭で母親は不安定など、
共通点がたくさんある。


そして、二人が親しすぎるところを母親に見つかってから、事態が急展開する。
Audibleで本編が終わった後に、3人の作家によるこの作品への想いが語られるうちの1つで、
「あまりフレッドに思い入れを持ちすぎてはいけない。子どもの本に犬が出てきたら要注意だ」と言っている人がいたけど、
私、そのルールを忘れていた。
そういえば、そうだった。
悲しすぎる出来事がデイビーを襲う。
それを、自分とアルチュールがキスしたせいだと思うデイビーはアルチュールを避けるようになる。
最後には、仲直りというか、仲は持ち直すのだけど。


最後のシーンがとても好き。
二人は、自分たちの親みたいな大人にはなりたくないね、と言い合う。
じゃあ、どんな大人になりたいかと訊かれて、デイビーは祖母を挙げる。
おばあちゃんは自分のことを大事にしてくれたし、自分もおばあちゃんのことを大事にした、と。
フレッドもそういう相手だった、と。
アルチュールは亡くした親友がそうだった、と言う。
デイビーが、僕たち二人も、そうなれると思うよ、と言うと、アルチュールがそうだね、と答える。


二人はどんな大人になるのかな。
大人になっても二人で助け合える関係にいるといいのだけど。
久々に、「いっそ続きを書きたい!」と思う本に出会えた。
(前にそう思ったのは、木原さんの『美しいこと』を雑誌版で読んだときだったと記憶している)


ところで、アルチュールというのは名字である。
二人の通う学校では、中学からは名字で呼び合う習慣があり、作中でもロス、アルチュールと呼び合っている。
でもふと気付いてみれば、最後のほうでは、アルチュールの方はデイビーのことを
ずっとデイビーと呼んでいる。名字のロスではなくて。
デイビーのほうではずっとアルチュール、と名字で呼んでいるんだけども。
アルチュールのほうが、二人の関係というか、デイビーへの想いをはっきり
自覚しているのかもしれない。


これが出版されたのは、1969年。
ティーン向けに、ゲイの問題を扱う初めての本だったらしい。
扱う問題が問題で、「だれもそんなものを読まないだろう」といくつもの出版社で断られ、
ようやっと日の目を見たら、予想外に売れたらしい。
学校図書館でもよく買われたそうだ。


Geography Club』を書いたBrent Hartingerが、
Audibleで本編のあとにこの作品への評を語っていて(3人の作家が語っている)、
ティーン向けにゲイものを書くなんて、と批判されることがあるが、
ゲイのティーンにこそ、こういう本が必要だと言っていた。
ヘテロのティーンには、ロールモデルとなる人が周りにたくさんいるけれど、
ゲイの子にはたいてい誰もいないから、と。


また別の人の寄せた評では、
自分の時代、ゲイの人はまわりにいないと思っていたから、ゲイは自分ひとりだと思っていた。
この本に学生時代に出会っていたら、どんなに励まされたことだろう、というようなことを言っていた。
私はただの興味本位で読んでいるけど、自分のセクシャリティに悩む子がこれを読んだら、
確かにすごく参考になるというか、励まされるというか、必要だと思う。


Audibleは特に安くなってないので、今回私はクーポンでAudibleのみを買った。
でもKindle本もほしいな…と思ってきている。




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2016/12/07 11:13 BL洋書・翻訳物 TB(0) CM(2)
コメント
洋物は真面目だよね
こんにちは(*´꒳`*)

仕事中なんだけどね
ちょっとお茶してます♪

ふううさんの洋物の感想読んでると
洋物はゲイとかマイノリティとかに対してシリアスなものが多いように思います

日本のが耽美とかジュネでは無くて軽めのものが主流になってるからそう感じるのかも

木原さんのは前編を手に入れたんだけど後編を入手してなくて読んでないのよ
早々に入手してなくて通して読まねば!

洋書の方が求めてるものに出会えるかもだけどそこまで手を広げられ無い( ; ; )
2016/12/07 13:42 thmama URL [ 編集 ]
Re: 洋物は真面目だよね
Thmamaさん、こんにちは!


> ふううさんの洋物の感想読んでると
> 洋物はゲイとかマイノリティとかに対してシリアスなものが多いように思います

確かに!
とくに最近感想をあげていたのは、ティーン向けの図書館にも入るようなものなので、
いっそうそうなのかもしれません。
生き方の指南になるものとして書かれているので。

あと、LGBTの権利向上の運動もあったので、
カミングアウトすることが大事、という風潮もあるみたいで、
そうなるとカミングアウトするかしないかで悩む…、というのも多いので。

日本のBLは基本は女性向けのファンタジーですが、
あちらのはそれだけではなく、ゲイの読者も多いので、
そのへんのちがいもあるのかもしれません。


> 木原さんのは前編を手に入れたんだけど後編を入手してなくて読んでないのよ
> 早々に入手してなくて通して読まねば!

ぜひぜひ!

> 洋書の方が求めてるものに出会えるかもだけどそこまで手を広げられ無い( ; ; )

私も日本のも読みたいのだけど、(Thmamaさんの感想を見て買ったのもある)、
積んでおくばかりで読めない…!
なかなかほんと、手は広げられないですね>_<。。

2016/12/09 16:00 ふうう URL [ 編集 ]















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ふうう

  • Author:ふうう
  • アラフォー主腐。ときどきバイト。日本の右傾化と、やつらの出現(だんだん暖かくなってきたから…)を恐れる日々。
    1年ほど前からM/M洋書を読み始め、今はKindle本とAudibleを併用して楽しんでいます。英語の勉強におすすめです。



    好きな人々
    コミック:日高ショーコ、秀良子、緒川千世、依田沙江美、今市子、萩尾望都、紺野キタ
    小説:木原音瀬、凪良ゆう、佐田三季、高村薫


    ☆特に木原さん大好きです☆
    ☆凪良さんは、白なぎさんより黒なぎさんのほうが好き。でも必ず作家買い☆
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